3.(1)学校プールは「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」の対象施設にも拘わらず、同計画で定められた方針や実施プロセスが履行されていない。
竹中勇人市長は、2019年6月7日の市議会定例会で学校プールについて「FM計画の、いわゆる猛暑への対策としての前倒しという位置付けで御理解いただけたらというふうに思います」(88番)と答弁しています。FM計画に基づくのならば「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」(以下実施計画)にある p.57の 2.施設別 第1期実施計画に則って学校プールの検討を行う必要があります。実施計画の統括部署は行革・財産活用室で、責任者は市長です。行革推進本部は建物の劣化状況の把握のための劣化調査表、固定資産台帳などの資料を用意し、担当課は、狭義の教育委員会を含め「実施計画」にある p.57の 2.施設別 第1期実施計画の「学校プール授業の民間活力の活用について検討」と「カリキュラムにおける水泳の取扱いについて検討」について審議する必要があるのではありませんか。
2021年(令和3年)3月、「公共施設等個別計画」が策定され、同2月24日から3月25日までパブリックコメントが実施されました。
学校プールも本来この計画で実施予定でしたが、前倒しされました。計画を早めても、実施手法はこれと同等でなければなりません。この計画では、十分とは言えませんが、各施設の一定の現況の資料が掲載されています。また、パブリックコメントも実施されました。一方、プールに関しては、一切現況を示す資料は提示されていませんし、パブリックコメントも2019年12月19日の「平成30年度決算審査特別委員会」できっぱり拒否しました。議会には、予算で削減提起しただけで、教育に係る審議も行革に係る審議も提起がありませんでした。市民軽視と言わざるを得ません。
3.(2)学校プール廃止を決めた3月市議会予算審議において理事者側は、建物の劣化状況の把握のための劣化調査表、固定資産台帳を示していない。そもそも予算審議時に議会、議員に対して学校プール廃止が「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」によるものとの説明がなされていない。
では、予算審議時に「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」に則った審議が行われたのでしょうか。「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」p.63以降にある「3.推進体制」で作成するとしていた資料(固定資産台帳と老朽化度調査結果)の提供と説明があったのかを教育委員会に質問しました。(質問と回答の一覧はこちら)
(質問)2.(1)31年度予算審議時、議員に対して本件が行革・公共施設等最適化推進計画に基づくものだという説明があったのか?(回答)・平成31年度予算審査特別委員会においては、プールに関し2点の質疑があり、それに対する回答は下記の通り。
①学校プール廃止後の市民プールについてどう考えているか?(回答)今後、市民が利用できるプールについては、民間活用の導入も視野に入れ、新たな温水プールの設置も含めて検討する必要があると考えている。②学校プールの一般開放事業の中止をなぜ判断したのか?(回答)プールの一般開放事業は、これまで継続して実施してきたが、昨今のこの暑さに対する子どもの安全確保への意識が高まっているため、炎天下で実施する一般開放事業について全面中止することと判断した。
上記回答は、議事録のほんの一部で、委員会の質疑応答を全部記述したものではありません。「民間活力の導入」や、「一般開放事業について全面中止」と言う文言が入っている箇所を、「行革・公共施設等最適化推進計画に基づくもの」として回答してきたのでしょうか。しかし、 泉南市公共施設等最適化推進実施計画に基づくという文言は一切なく、平成31年度予算審査特別委員会において議員に対して行革・公共施設等最適化推進計画に基づくものだという説明はありませんでした。
また、p.8以降に記したように、私たちは3月の予算審議時に議会に提出した資料を質問しました。教育委員会が議員に示した資料は2019年3月4日の厚生文教常任委員協議会の「市立学校プールのありかた」のみと判明しています。予算審議時に、固定資産台帳と老朽化度調査結果の提供と説明はなく、 議員は学校プールの廃止が「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」に基づくものとの説明を受けていません。
3.(3)市民に対して学校プールの廃止が「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」に基づくものとの説明がなかった。
「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」のp.64の4.計画の推進とマネジメントサイクルの構築には
第1期実施計画では、前期・中期・後期に分けて、「計画及び市民協働と合意形成(PLAN & ASSOCIATE(AGREEMENT)」→「実施(DO)」→「検証及び研究(CHECK & STUDY)」のマネジメントサイクルに基づき、市民への情報公開と市民からの意見・ニーズの把握を行いながら進捗管理を実施し、着実な推進を図ります。
とあります。
そこで私たちは、本件が行革・公共施設等最適化推進実施計画に基づくものだという説明を市民に対して行ったのかと質問しました。
質問と回答は以下の通りです。回答を見ても本件が行革・公共施設等最適化推進実施計画に基づくものだと説明していません。また、学校プールは授業事業だけでなく一般開放事業でも使用する施設です。一般開放事業の利用者である市民への説明はなかったと解釈します。
(質問)3.市民に対して、本件が行革・公共施設等最適化推進実施計画に基づくものだという説明は充分行ったと考えているのか?
(回答)
・各小学校で実施した保護者説明会においては、下記のとおり説明を実施。
・学校プール授業の屋内温水プールへの移行は、プール授業が天候に左右される不安定な授業であること、教職員の負担軽減など働き方改革にも寄与すること、またインストラクターによる専門的な指導により授業の質が向上することなどを総合的に判断して、室内温水プールの利用の方向性を決定。
・また、学校プール施設の一般開放事業の中止は、猛暑日による中止日と台風等の自然災害の増加による子どもの安全対策、そして施設の老朽化による維持管理経費の増加と利用者減による費用対効果を総合的に判断して決定。
そこで私たちは、本件が行革・公共施設等最適化推進実施計画に基づくものだという説明を市民に対して行ったのかと質問しました。
質問と回答は以下の通りです。回答を見ても本件が行革・公共施設等最適化推進実施計画に基づくものだと説明していません。また、学校プールは授業事業だけでなく一般開放事業でも使用する施設です。一般開放事業の利用者である市民への説明はなかったと解釈します。
(質問)3.市民に対して、本件が行革・公共施設等最適化推進実施計画に基づくものだという説明は充分行ったと考えているのか?
(回答)・各小学校で実施した保護者説明会においては、下記のとおり説明を実施。・学校プール授業の屋内温水プールへの移行は、プール授業が天候に左右される不安定な授業であること、教職員の負担軽減など働き方改革にも寄与すること、またインストラクターによる専門的な指導により授業の質が向上することなどを総合的に判断して、室内温水プールの利用の方向性を決定。・また、学校プール施設の一般開放事業の中止は、猛暑日による中止日と台風等の自然災害の増加による子どもの安全対策、そして施設の老朽化による維持管理経費の増加と利用者減による費用対効果を総合的に判断して決定。
「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」にも「計画及び市民協働と合意形成」などと書かれていますが、学校プール廃止の経緯は市民に全く明らかにされていません。どうやって市民と協働や合意形成ができるのでしょうか。