竹中勇人市長答弁は、自分たちの方針を正当化し、継続するために、子どもたちにアンケートを行ったのではないかと疑わざるを得ないものである。
竹中市長は、温水プールでの授業を来年も続ける根拠として、児童に行ったアンケート結果をあげています。以下は、市議会会議録の市長の答弁です。
2019.12.19 平成30年度決算審査特別委員会(第4号)本文 より引用開始
実際にことし、そのプールへ行って温水プールで授業を受けた子どもたちにアンケートをとって御意見を伺ったところ、やはりそちらの温水プールで、専門のインストラクターによる授業を受けるほうがいいという、非常に子どもたちからも、そういう高い評価をいただいていますので、こちらのほうは、そういう形で続けさせていただきたいというふうに考えてございます。29○竹中市長
引用終了
また、私たちの質問に対しての教育委員会の回答でも、アンケートを根拠に翌年度は全学校園に置いて、室内温水プールでの実施を決定したと回答しています。以下、質問と回答です。
10.東小学校は台風(18年)によって破損がなかったが、何故翌年サンエスになったのか?
(回答)
・平成31年度は、被害がなかった施設と被害が少なく仮復旧した施設の中で、原則として立地的に複数の学校が利用できるプールを選定して授業を実施した。(信達小プールは信達小、信達中、泉南中が利用、砂川小プールは砂川小と一丘中が利用、西信達プールは西信達小と西信達中が利用)
・当該年度の実施結果(児童生徒アンケート等)を踏まえた上で、翌年度は全学校園において、室内温水プールでの実施を決定した経緯がある。
教育委員会の回答では、児童に行ったアンケート結果を元に翌年度、全学校園において、室内温水プールでの実施を決定したと書かれていますが、当該年度である2019年、水泳授業とアンケートを実施する前の3月4日に厚生文教常任委員協議会で提出した資料「市立学校プールのありかた」(p.15 p.16)には「2020年度には全学校プールを使用停止」と明記されています。教育委員会の回答は矛盾しています。竹中勇人市長答弁は、自分たちの方針を正当化し、継続するために、子どもたちにアンケートを行ったのではないかと疑わざるを得ないものです。何故なら教育委員会でアンケートの様式を出してもらいましたが、設問が恣意的だからです。(アンケートの様式はこちら)
竹中勇人市長の答弁の「やはりそちらの温水プールで、専門のインストラクターによる授業を受けるほうがいい」の「~のほうがいい」というのは、異なるものを比較した時の評価です。温水プールを利用した子どもたちに対して、去年とどちらが良かったか、比較する設問はありません。
また、学校プールを利用した3つの小学校ではアンケートが実施されておらず、学校プールで専門のインストラクターの授業を受けた児童の声はアンケートで集計されていません。学校プールで授業を受けた子どもたちの満足度と温水プールで授業を受けた子どもたちの満足度を比べてもいません。どうしてこのアンケートから温水プールの方がいいという結果が導き出せるのでしょうか。
2.(2)で佐倉市の記事を紹介しましたが、同じ佐倉市のこちらの記事もみてください。
日経BP 新・公民連携最前線 PPPまちづくり
佐倉市が小・中学校32校の学校プールの再編検討、市民プールでの水泳授業も視野に調査を実施
黒田 隆明 2018.07.02
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/070100792/
一部引用開始----
佐倉市では現在、小学校2校で老朽化したプールを廃止し、民間スイミングクラブのプールで水泳の授業を実施している(水泳指導も民間委託)。この2校については、現状スキームを継続し、今回の学校プール、市民プール再編・再整備の調査対象には含めない方針だ。
民間委託を行っている2校では、維持管理コストの削減だけでなく、授業内容に対する評価も高い。市が実施したアンケート調査によると、「水泳学習は楽しかったですか」という質問に対して79%の児童が「とてもそう思う」、19%の児童が「そう思う」と回答。「泳ぎは上手になりましたか」という質問については40.5%の児童が「とてもそう思う」、45%の児童が「そう思う」と回答した。職員からは「インストラクターが多く、安全の確保を十分に行うことができた」「専門的な指導を受けたことで、技能が高まった」「天候に左右されず、計画通りに実施することができた」といった意見が寄せられた。
一部引用終了----
アンケートの設問がそっくりそのままです。泉南市の教育について考察する資料にするならば、泉南市の子どもたちの実態がわかるような設問にするべきです。
以上