泉南市にパブリックコメントを出したけれど回答を控えられた

泉南市公共施設等個別施設計画(案)に関するパブリックコメントを提出しました。

 市のウェブサイトには「泉南市公共施設等個別施設計画(案)への意見募集を行った結果、下記のとおりご意見をいただきました。つきましては、いただいた意見とそれに対する考え方を公表いたします。」とあって、私の意見については

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というお返事でした。

https://www.city.sennan.lg.jp/kakuka/gyokakuzaisankatsuyo/public/1617242423058.html

 確かに、私が書いた意見の前半部分は学校プール廃止の経緯とそこから私が問題だと思っていること書きました。しかし、後半部分はそれを踏まえて、「公共サービス基本法を念頭に、公共施設等個別施設計画をつくってください。」と公共施設等個別施設計画についての意見を述べています。そして、既存の法律を守ってくださいと書いただけなので、泉南市からは当然、「公共サービス基本法を遵守します」等の返事があると思っていました。

 「回答を控えさせていただきます」をどう受け取ればいいのでしょうか。回答がなかったということは、この法律を守りたくないという意思表示???法に従わず、どうやって公務をするのでしょう。きちんと返事がもらえなかったことに失望、困惑、怒りを感じています。どう受け取ったらいいのか。

 パブコメの最後に

財政が厳しいことは議事録を読んで理解しています。そうであるからこそ、市民と市の職員と、議員が、互いを尊重し、話し合える泉南市にして欲しいです。」と書きましたが、難しそうです。


以下私が提出したパブコメの個人情報を省いた文章を載せます。



泉南市公共施設等個別施設計画(案)に関するパブリックコメント

泉南市行革・財産活用室御中


2021.3.25




 れでぃご というグループで泉南市の学校プールが廃止された経緯について調べています。学校プールも「泉南市公共施設等最適化実施計画」に含まれていましたが、市民の代表である市議会議員や、小・中学校の保護者にきちんと説明することなく計画をかなり前倒しで廃止してしまいました。説明がなかったことも問題ですが、廃止された経緯が不透明です。

 今回、「泉南市公共施設等個別施設計画(案)」についてパブリックコメントが募集されているので、学校プール廃止について調べる中で見えてきた問題点を個別施設計画では改善して欲しいと考えて、パブリックコメントを提出します。

 まず、学校プール廃止の経緯について不透明な部分、問題だと思う部分を書きます。


2018年12月17日の「泉南市教育委員会平成30年第12回定例会会議録」によると、


○桐岡教育総務課長

 それでは、議案第3号、平成31年度大阪府泉南市一般会計当初予算に係る要求(案)教育委員会所轄分について説明させていただきます。

 まず、平成31年度の当初予算要求につきましては、財政課から平成31年度の予算編成方針が出されております。

(略)

 3点目が公共施設の老朽化による工事費の増加が見込まれることから、中長期を見据えたマネジメントに取り組むこととされており、その上で平成31年度については、算定の調整額については3%のマイナスシーリングとして、各部ごとに減額調整を行うことが求められております。

 それを受けまして、お手元の資料をご確認ください。ページをめくっていただきまして、課ごとに主な事業について、要求額を載せております。

(略)

 次に、学校プール授業事業については、前年度比771万6,000円の増額となっております。増額の主な要因といたしましては、修繕料が450万円の増額。備品購入費が208万6,000円の増額となったためでございます。


と記載されてあって、2018年の12月17日時点で、教育委員会は、小学校プールを修理して学校プール授業事業を行うつもりだったことがわかります。それが一転、

2019年1月22日の「泉南市教育委員会平成31年第1回定例会会議録」では


○岡田教育部長

学校プール一般開放事業については、開催の見通しが立ちません。この夏は中止とせざるを得ないと考えております。夏休みの子どもの居場所づくり事業については別途計画を進めておるところでございます。同時に学校の通常授業としてとり行うプールの授業につきましても、やはり学校プールの利用自体がまだ目処が立たないこともありますので、民間の事業者が運営するプールの利用を検討しております。

(略)それ以外の学校(西信達小・中学校、信達小・中学校、砂川小学校、泉南中学校以外)については、先ほど申し上げた民間事業者のプールにバスを仕立てて移動するイメージで、今学校との意見交換をさせていただいているところです。

 学校からも学校プールの一般開放の中止や学校プールを授業で利用できないのは残念だという声もございますが、(略)

 学校のプールの施設設備は老朽化が進んできております。このたび修理ができない状態があり、修繕等の見通しが立たないということもございますが、今後の維持、改修コスト等を考えますと、平成31年度は先ほど申し上げた3カ所の学校プールは使用できますが、近い将来、全てのプールを閉鎖せざるを得ないと考えておるところでございます。


と記載があり、学校プールの使用をやめる決定をしたことがわかります。「老朽化」「修理できない状態があり」とありますが、12月の教育委員会定例会の後、1月の定例会までの1カ月で老朽化が顕在化した、ということはないでしょうし、最近、行革・財産活用室から出された「各小学校の劣化度調査の結果」を見ても各学校のプール棟は建物評価の数値が低く(老朽化していない)偏差値も高いことから老朽化を理由にするのは無理があると思います。また、「修理できない状態があり」とありますが、修理にかかる経費がはっきりしません。教育委員会へ質問し、その回答から「被災直後の学校園の被災現場へは、教育委員会事務局員(事務職、技術職)で調査班を組織して班単位で調査を実施。調査結果を取りまとめたのち、改めて技術職員を中心とした追加調査を実施」したことはわかったのですが、専門の業者さんへの調査を依頼していないのであくまで「プール層への不具合発生可能性有」であって、実際にプール槽や配管が壊れているのかわかりません。018年12月17日の「泉南市教育委員会平成30年第12回定例会会議録」の

修繕料が450万円の増額。備品購入費が208万6,000円」

がどうやって算出されたものなのかもわかりません。


 第6次行財政改革実施計画では、p.15に「7 特に配慮する項目」

第5次行財政改革実施計画に引き続き、この計画を推進するに当たっても、 次の点については十分配慮することとします。

ただし、事業の実施に際しては、いずれについても財源の範囲内で個別に精 査します。 

1 学校施設老朽化対策

 子どもたちが勉強できる環境の整備 

とありますが、学校プールという「子どもたちが勉強できる環境」がきちんとした説明なく、一方的に切られたと認識しています。


 以上の学校プール廃止に関する問題を調べる中で、私が一番気になっている点は、すべて「お金」という観点からしか考えてないように見えることです。公共施設最適化実施計画では「民間活力の積極的な導入をうたっていますが、公と民の役割はどこで線引きされると考えているのでしょうか?例えば、2019年に世田谷区の認可外保育園が突然閉園し、保育スタッフが自主運営というニュースがありましたが、民間だと、利益がでなければ廃業する可能性があります。水泳授業の契約をした企業も、利益が上がらなければ廃業する自由があるのです。民に任せていいものなのか、公共の役割とは何なのかを考えて欲しいと思います。

 公共サービス基本法には

 (目的)

第一条 この法律は、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

 (基本理念)

第三条 公共サービスの実施並びに公共サービスに関する施策の策定及び実施(以下「公共サービスの実施等」という。)は、次に掲げる事項が公共サービスに関する国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として、行われなければならない。

 一 安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること。

 二 社会経済情勢の変化に伴い多様化する国民の需要に的確に対応するものであること。

 三 公共サービスについて国民の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。

 四 公共サービスに関する必要な情報及び学習の機会が国民に提供されるとともに、国民の意見が公共サービスの実施等に反映されること。

 五 公共サービスの実施により苦情又は紛争が生じた場合には、適切かつ迅速に処理され、又は解決されること。

 (国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国民生活の安定と向上のために国が本来果たすべき役割を踏まえ、公共サービスに関する施策を策定し、及び実施するとともに、国に係る公共サービスを実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、公共サービスの実施等に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地方公共団体の実情に応じた施策を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体に係る公共サービスを実施する責務を有する。


とあります。この法律を念頭に、公共施設等個別施設計画をつくってください。

そして同法11条を守ってください。

(公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備)

第十一条 国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。


職員の賃金カットは職員が安心して働くことを阻害するばかりでなく、自らの仕事の価値が貶められたに等しい行為です。安心して働くという自らの権利が守られていない状況で市民の権利を尊重するというのは難しくなると思います。


日本はILO100号条約を批准しています。同一価値労働同一賃金の条約です。今まで男女の賃金格差を解消したいと思っていましたが、財政が悪化している自治体職員の給料は減らされてもしょうがないという認識がまかり通っているみたいで、差別される対象がさらに拡大されていることを懸念しています。


財政が厳しいことは議事録を読んで理解しています。そうであるからこそ、市民と市の職員と、議員が、互いを尊重し、話し合える泉南市にして欲しいです。



学校プール廃止についての報告書ができました



学校プール目次

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 私たちが得た情報をこのサイトを通じて、市民の皆さんと共有し、泉南市について一緒に考えていけたらと思っています。順次、情報公開された資料や、まとめたもの、教育委員会とのやりとり等をこのサイトで公表します。泉南市は小中学校の統廃合(泉南市小中学校再編計画)を進めています。それをどう考えるのか、判断材料の1つにしていただけると嬉しいです。