経緯
1950年代後半から70年代はじめまで、日本は高度経済成長期でした。国民の多くが農業などの第一次産業従事者だった戦前から、戦後は第一次産業の従事者が減り、農村の若者が都会へと働きに出ました。(金の卵)工場の近くには労働者が家族で住むための団地が造られました。女性(妻)一人で育てられる子どもの人数(2〜3人)に合わせて4〜5人の核家族のサイズの団地です。この頃「男は外で仕事、女は家庭で家事、育児」という性別役割分業が確立されました。(それまでは農業従事者が多かったので、生産の場と消費の場は同じだった)
戦前の多産多死社会から、核家族化して子どもの人数が2〜3人に減った少産少子社会へ変わる過程において、人口ボーナス期と呼ばれる期間が現れます。人口ボーナスとは、総人口に占める生産年齢人口の割合が増加して豊富な労働力があり、子どもやお年寄り(従属人口)は少なくなることです。子どもやお年寄りが少ないので、教育費や社会保障費の負担が少なくなり、その分経済に振り向けることができるので、経済成長が促されるのです。
高度経済成長期は社会保障費が少ない分、インフラが整備され、公共施設の多くもこの頃に建てられました。老朽化が進んだ施設の建て替え時期は、全国で重なります。今は人口オーナス期(高齢化が進み、総人口に占める生産年齢人口の割合が減少)なので、社会保障費が負担となり経済を圧迫します。人口が減少し、財政状況も厳しい中で全ての公共施設を建て替えることはできないのだと思います。そこで国は公共施設について、様々な方針を打ち出しています。国からの要請を受けて、「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」(PDFファイル)ができるまでをみてみましょう。
2013年(H25)3月 文部科学省 「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」
「学校施設の老朽化対策について〜学校施設における長寿命化の推進〜」(平成25年3月)」を取りまとめました。
同p.4
同p.11
インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議において
2013年「インフラ長寿命化基本計画」(平成25年11月29日)が取りまとめられました。
2014年(H26年)1月 文部科学省
2014年(H26年)4月22日 総務省
「公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進について」(平成26年4月22日付総財務74号総務大臣通知)により公共施設等総合管理計画の策定を各地方公共団体に要請しました。
2015(平成27)年1月 泉南市
2015年(H27年)3月
2015年(H27年)4月
学校施設の長寿命化計画策定に係る手引き 文部科学省
本手引は,個別施設計画のうち,学校施設を対象とした計画について,盛り込むべき事項 やそれらを検討する上での留意事項等を示し,解説したものである。
2016(平成28)年3月 泉南市
「泉南市公共施設等最適化推進基本計画」(PDFファイル)を策定。計画期間を40年と定め、この間に地域の方々や民間企業等と協働で全市的な観点から施設の複合化や集約化を進めていき、市民にとって魅力ある施設サービスを提供していく一方、計画的保全等で施設の維持管理経費の最小化を図りながら公共建築物の延床面積を40%縮減するとした数値目標を設定し施設総量を抑制していくなど、持続可能な市民サービスを将来にわたって提供できるよう、公共施設等の最適化を進めていく。
FM(ファシリティマネジメント)の観点→公共施設等を経営資源と捉え、どの施設を残し、どう活用していくか
2017(平成29)年3月 文部科学省
2017(平成29)年4月 泉南市
「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」(PDFファイル)を策定。主要な拠点や施設類型等ごとに最適化推進にあたっての検討を行い、10年間の具体的取り組み内容をまとめています。
第1章 40年間の最適化の進め方と10年間の実施計画の位置づけ
「泉南市公共施設等最適化推進実施計画」p.8
施設及びインフラの維持管理保全策
同p.40
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私たちが得た情報をこのサイトを通じて、市民の皆さんと共有し、泉南市について一緒に考えていけたらと思っています。順次、情報公開された資料や、まとめたもの、教育委員会とのやりとり等をこのサイトで公表します。泉南市は小中学校の統廃合(泉南市小中学校再編計画)を進めています。それをどう考えるのか、判断材料の1つにしていただけると嬉しいです。